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山口裕之ストリングカルテット - 8月20日 -
2022 / 09 / 18 ( Sun )

お盆が過ぎて寒いくらいの清里。あいにくの小雨の中、恒例のガチ・クラシックtimeの始まり始まり。

長年N響でコンサートマスターを務めていらした山口裕之さん率いる実力派の方々は、ヴァイオリン宇根京子さん、ヴィオラ飛澤浩人さん、チェロ山内俊輔さん。涼風祭では連続三年目のご出演です。

バルトークって何?難しすぎる!という苦情?が噴出した(笑)一年目、
殆ど無言で演奏に終始していた四人の演奏者の方々の素顔は謎で、ワタシは勝手な妄想を飛ばしたりしてました…(その節は失礼しました)が、
二年目、ガッツリ聴かせてくださるスタイルにお客さんたちも少しずつ馴染み、
三年目の今年は、まるで旧知の友に会ったかのような気分になった方もいらしたのでは。

バルトークって誰?
ベートーヴェンってどんな人?
お知りになりたい方は過去2回の鑑賞日記をご笑覧ください。
2021年鑑賞日記
2020年鑑賞日記


ステージにマスク姿で登場なさった四人、あれは外してポケットにしまうのかと注視してましたが、マスクを付けたまま演奏が始まりました。

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ワタシはアマチュア奏者の端くれとして、あれがどんなに苦しいか知ってるわ。鼻でスッと吸う小さな音、微かな動作や互いの目線で曲の出だしやリズムの境目を察知するのに、マスクは邪魔モノ。
個人的には、事前に検査を受けていただければ充分ではないかと思いました。

ベートーヴェン 弦楽四重奏 第3番 ニ長調

難聴という苦悩をまだ知らなかった若き作曲家の青春の一頁のような、穏やかで明るい曲。
四つの弦楽器が交互に奏でるメロディ、形を変えながら途切れることなく続くメビウスの輪のような繰り返しが楽しく、美しい。

随所にコミカルなノリを感じさせるところが、実は冗談好きだったというベートーヴェンらしくて好きだなぁ♡

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バルトーク 弦楽四重奏 第1番

古典的なベートーヴェンの次はガラリと雰囲気が変わり、話題のバルトークtimeです。

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ベートーヴェンの生まれた1770年から111年後の1881年、ハンガリーに生まれ、太平洋戦争の終結した1945年ニューヨークで没したバルトーク。
彼の生み出した曲の数々は、聴衆に安らぎを与えるというより、挑発し、揺さぶり、しばしば不安な気分にさせるもので、色でイメージすると灰色だったりモノトーンに近いかも。綺麗な花が咲き乱れる田園風景は残念ながらずっと現れない…

しかしながら民族音楽研究家であったバルトークの音楽は、どこか土の匂いが立ち上ってくるような、身体の奥から沸々と湧いてくるような、原始的な何かを感じさせる不思議な魅力がありませんか?

苦手だからとシャッターをがらがら下ろす前に、ちょっと待ってぇ、折角のチャンスだから味わってみましょうよと声を大にして言いたい。
音色やリズムを、脳内でどのように受け止めるかは個々の自由。あまり難しく構えずに想像の翼を広げて、怖い音もヘンテコなリズムもひっくるめて面白がれたら、それで良いんじゃないのかな?
ハマりますよ。

休憩挟んで後半のステージ
ドヴォルザーク弦楽四重奏曲 第12番 へ長調「アメリカ」

バルトークより少し時代を遡り、1841年に生まれ1904年プラハに没したチェコの国民学派を代表する作曲家ドヴォルザークは、円熟した五十の頃アメリカの音楽界に招かれ渡米。ボヘミアからの入植者たちが多く住む街を訪れたときに、同胞たちの中で過ごす安堵感から祖国を思い出し、楽しく作曲したのがこの曲だそう。
彼は渡米後『黒人の旋律の真の価値』や『アメリカの音楽』と題する論文を発表し、黒人やネイティブ・アメリカンの音楽の豊かさを啓発したそうです。
スラブ的でありながら、アメリカのフォークロアの影響が現れている「アメリカ」。誰もが口ずさみたくなる親しみのある旋律、バルトークとは違った大いなる安心感?に包まれて(笑)ゆったり楽しみました。

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アンコールは、
地球儀をぐるりと回して島国ニッポンにもどり、「日本の歌メドレー」で和やかに締めくくり♫
マスクの下でそっと小声で歌っていた会場の皆さん、楽しかったですね〜
マスクなしで堂々と奏で歌える日が来ることを願ってやみません。

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山口さん、宇根さん、飛澤さん、山内さん、
今年も素晴らしい演奏を聴かせていただき、ありがとうございました。
またのバルトークを首を長くして待っています♫

森のスズコ

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