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齊藤一也(ピアノ)・飯川直美(ヴァイオリン) - 8月28日 -
2022 / 12 / 30 ( Fri )
(12月30日の掲載となってしまいました。申し訳ございません・・・。ブログ係り)

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初秋の気配を感じながら、昨日に引き続き音楽堂へ。

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涼風祭最終回は、昨年コロナで中止になったプログラムのリベンジ公演、

齊藤一也(ピアノ)・飯川直美(ヴァイオリン)
自然と巡る名曲ロマン紀行 Vol.2 〜晩夏の調べ〜

豪華な演奏者おふたりを迎えて、無事始まりました。

第一部は、齊藤一也さんによるピアノソロ。

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ラヴェル:ソナチネ

「ソナチネ」はソナタの小規模なもので、楽章は2つか3つ。技巧的に比較的容易で初心者の練習曲として知られています。子どもの時にピアノ練習でお世話になったことのある人も多いでしょう。

ラヴェルのソナチネ、私は朝の森を散歩しているような気持ちで聴きました。朝靄が晴れて光が射す庭、小さな水滴が葉っぱについてる様や、野の花を眺めているように。

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続いて、ショパン:即興曲 第2番
穏やかな夜想曲風の旋律から始まり、次第に様子も音量も変わっていきます。左手が低音域を響かせていると思ったら、急に微風のように右手がヒラヒラ舞う。難易度高そう。
即興曲という呼び名だけど、即興の雰囲気を演出するため精緻な計算のもと作曲されている曲。ジャズの即興とは真逆ね!

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2年前の涼風祭ではショパンとリストをたっぷり聴かせて頂きました。
その時の様子をご覧になりたい方は、コチラ →→

次は、一也さんの子ども時代の恩師という青木進さんの曲を。
青木進:子供のためのアルバム『午後のスケッチ』
1 陽だまり 2 夕立 3 虹の架け橋

童心に戻って。特に夕立の風景は、ぽつんぽつんと空から落ちてくる雨の粒に始まり、ピカッと光る稲妻と雷、驟雨まで。臨場感が溢れてました!

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ラヴェル:水の戯れ
再びラヴェル。パリで学ばれた一也さんにとってノスタルジーを感じさせる不思議な魅力があるそう。
私も大好きな一曲。美術の時間に何か聴きながら水彩画を描くとしたらコレが良いな。青の絵の具が無くなりそう。

前半最後はリストを二曲。

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リスト::ペトラルカのソネット 第104番
中世イタリアの詩人・ルネサンス人文主義者であったペトラルカは、報われぬ恋に苦しみ、それが恋愛抒情詩へと昇華されました。恋におちる喜びと苦しみを情熱的に表現した名曲。

リスト:ハンガリー狂詩曲 第12番
ロマ(ジプシー)たちの悲劇的な迫害の歴史、それを吹き飛ばすかのようなエネルギーを感じて聴いてくださいと一也さん。

※リストは、ロマ達が弾く音楽に感銘を受け、メロディやリズムを反映した作品集を「ハンガリー狂詩曲」と命名。ブラームスの「ハンガリー舞曲集」も同様です。正確には、地域に根付いた作者や作曲年月、場所が不明の音楽を「民族音楽」と定義し、それを研究したのはバルトークとコダーイです。

ピアノの魔術師と言われたリスト、カッコ良すぎる超絶技巧に女性ファン失神続出という逸話や、指が6本あるのではという噂までありました。
繊細ながら情熱的で力強い演奏に、ピアノのハンマーが壊れることが度々あって、予備のピアノを並べて弾いていたとか。
一也さんも激しい超絶演奏を披露してくださいましたが、音楽堂に一台きりの?グランドピアノ、幸い壊れず無事でした。


休憩挟んで第2部は、ヴァイオリニスト飯川直美さんの登場です。
ドレス姿が愛らしい直美さん、「7歳の時violin セミナーのため清泉寮に泊まり、ヤマネのぬいぐるみを抱えて帰った。17歳音高時代再び清泉寮に。そして今回また清里に♪」と自己紹介してくださいました。
なんと、これから演奏するフランクもラヴェルも、直美さん、一也さんの学んだパリ国立高等音楽院の大先輩なんだそうです。

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フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
生誕200年、ベルギー出身のフランクが、同郷の後輩イザイの結婚祝いに献呈したこの曲は、理性的な冷静さがありながら、沸々とたぎるような内面の情熱が感じられます。酸いも甘いも噛み分けた六十過ぎ、大器晩成型のフランクだったから、名曲中の名曲が生まれたのでしょう。
この曲を聴くといつも頭に浮かぶのは「健やかなる時も病める時も…」という誓いの言葉。幸せな時ばかりでなく苦難の日々もあるかもしれない、それでも共に人生を歩んでいく、そんな決意を新たにするワタシ(笑)。
ヴァイオリンとピアノが交互に歌う箇所、素敵でした。実は若いお二人はご夫婦。これからお二人の歴史を紡いで、さらに熟成したソナタを聴かせてください。

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ラヴェル:ツィガーヌ
「ツィガーヌ」は「ロマ」を意味するフランス語。
作品の動機は、(巨匠ヨーゼフ・ヨアヒムの孫)ヴァイオリニスト ダラーニとの出会い。ラヴェルは彼女の演奏に感銘を受け、ハンガリー・ジプシー音楽の演奏を頼み夜明けまで聴き入ったそうです。
曲はヴァイオリン の哀愁を帯びたソロから始まり、途中からピアノが入り、次第に盛り上がっていきます。右手と左手ピチカート、重音、フラジオレット、と矢継ぎ早のこれまた凄い高難度奏法、カッコイイ〜!

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魔術的とも言えるエキゾチックな旋律はインパクト大!でした。

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アンコールは、しっとりとマスネ「タイスの瞑想曲」
続いてモンティ「チャルダッシュ」🎶

涼風祭最終回に相応しい凄いピアノ&凄いヴァイオリン、最強ペアの素晴らしい演奏に感動しました。
どうぞこれからもお二人揃っての素晴らしい演奏を聴かせてください。

森のスズコ

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今年の涼風祭が無事に終わりました。おめでとう御座います、パチパチ…
出演なさった皆さま、実行委員の皆さま、ボランティアの皆さま、会場にいらしてくださった沢山の皆さまに、感謝申し上げます。
どうぞお元気で。
また森の音楽堂でお目にかかりましょう。
10 : 39 : 28 | 感想文 | コメント(0) | page top
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